甘やかされた市民

今朝、長女から
「朝から耳が痛いんだけど。前から少しづつ痛かったんだけど今日、急に強くなった」と電話がありました。首を回してみるよう指示すると、痛みが変わるらしい。
「痛みがどうして起こるか分からないけれど、耳鼻科に行ってみて」とアドバイスしました。本当はこういう電話を掛ける前に、自分で何とかしてみて、その後に電話をしてくれることを期待しているんですが、中々そうはいかないようです。

我が家ではお医者さんに行く前に私が手当てすることで、ほとんど解決してしまい、実際にお医者さんに行くことは数えられるほどだったんです。今は親が近くにいませんからね。


一週間ほど前、NHKで「極北ラプソディー」という番組が放送されました。見た方もいるんじゃないかな。
北海道のある架空の街:極北市。ここの慢性赤字の病院を舞台に、瑛太演じる若き医師今中と病院を再生させるためにやってきた小林薫演じる世良の二人を通して、現在の医療の問題点を浮かび上がらせたやや重い番組でした。

救急患者は受け入れない、入院患者は退院してもらう 等の様々な方針を次々に実行。途中診察を拒否された患者が亡くなるという事態が起きても、信念を曲げない世良、それに反発しながらも少しづつ世良の考えに理解を示していく今中。

「私のやっていることは勇気があるのかねぇ」と世良が問いかけたときに、世良に理解のある医者が言います。。
「医療を行政と病院に押しつけない。10年後、市民が健康であり続けるために患者自身意識を替え、病院が疲弊しない様に努力する。わざと強権的な態度をとって彼らを鍛えようとした。先生のやっていることは勇気のいる行為です」と。

そして世良は今中に向かって言います。
「世間にすれば、俺は周りに軋轢しか生まない医者に見えるだろう。だが俺には俺の矜恃がある。今最先端の医療を戦っているのは東京のど真ん中の病院じゃない。このおれだ!ってな」
更に続けて、
「誰もがいつか死ぬ、ということに気がつかない振りをして生きている。病院の力だけを信じて、生き長らえようと彼ら患者を甘やかし、食い物にしてきた病院・行政・市民。その全てとおれは戦い続ける」

自分で不摂生をし、その結果身体の異常を引き起こし、治してもらいに病院を訪れる。その上、酒を飲む金はあっても医療費は払わない。そういう甘やかされた人たちがいる。そこまでひどくなくても、ちょっと具合が悪いと、すぐにフルコースの検査をしてくれる親切な病院はたくさんあります。そして結果が出る前から大量の薬を渡す。親切のオンパレードです。特に老人は負担が少ないですからね。


番組の終わり頃、世良の病院は入院患者や救急患者を受け入れず、自宅の戻った患者の訪問診療へと舵を切っていきます。 そして少しづつその結果が出てきて、経営もちょっと良い方向になって来たのです。

私たちはいつのまにか自分のことは自分で、ということを忘れてしまいました。何か重大な問題があるといけないから・・・、という理由で過剰な医療を当たり前のように受け入れ、検査してくれないと「不親切だ」と言う。やっぱりこれって変です。


娘からの電話で、娘にしたと思っていた教育がうまく行っていなかったことに少し寂しい思いをしながら、このめちゃくちゃな文章を書いています。


 

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