レビストロース死去

レビストロースが亡くなりました。100歳を超えてなお、かくしゃくとしていた20世紀最大のフランスの人類学者であり、思想家であり、哲学者でした。
この人を知ったのは数年前、サルトルの実存主義を完膚なきまでに叩きのめし、構造主義の確立に大きな足跡を残した人でした。なんて、どっかの案内に出ている解説は止めましょう。

ご本人の著作を読んだことがないので、誰かの受け売りになってしまいますが、一番感銘を受けたのが「アマゾンの山奥の住民も西欧先進国の住民もその文化そのものに優劣はない、全く別の文化なのだから。比較すること自体がナンセンス(これは私の言葉)」ということでした。
さらに、社会は常に成長、進歩していくといった考え方を否定し、AからBに、さらにCに、といった一方的な方向ではなくて、AからBに、次にまたBからAにいくことだってあるんだ、ということを事実を持って論じた人でした。
また、すべての社会は「贈与と返礼」でなりたち、それは世界中のどんな社会でも一様に観察されることを看破した人でもありました。 

このことを知った当時、本当に自分の治療で患者が治っていくのだろうか?と悩んでいたときでした。
そんなことを考えること自体が傲慢で、人が治ること、あるいは病むことは、自然の流れであって、他人がそれに関わることなんてほんのちょっぴりなのだ。治ったり病んだりしながら人は年を取り、死んでいく。もっと言えば、人は産まれたときから死に向かって歩いている。 

治っていかない異常だって沢山あります。しかし、全く変らないように見えるのに、実は身体の中はあっちへ行ったりこっちへ行ったり、ものすごく変っている、そんなことが実感できるようになったのも、 このレビさんの解説本を読んだからのような気がするんです。

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