規則正しい生活とは?

 健康に生きるためには、規則正しい生活をしなければいけないといわれます。私たちは「一日30品目以上の食品を食べる」に代表される、しなければいけない、してはいけない式の規則に縛られながら、生活しています。食べたくもないのに、昼だからといって無理矢理腹に詰め込んで、後で胃腸薬を飲むという、まるで笑い話のようなことをたくさんの人が、それを笑い話とも思わずに行っているのです。8時間睡眠をとらなくてはいけないといわれると、6時間だと何となく寝不足だと思い、12時をすぎても眠れないと寝不足だと思い、不眠症になったと騒いだりもします。

 しかし、なんのために食べ、なんのために眠るのでしょうか。それは腹が減り、眠くなるからです。当たり前のことですが、今はこの当たり前のことが当たり前でなくなってくるような情報過多の時代なのです。食べないと体に悪いとか、眠らないと次の日に仕事がはかどらないとかいって、食べたくもないごちそうを腹に押し込み、眠くもないのに寝床にはいって羊の数を数える。それが私たちの規則正しい生活です。そして胃腸薬を飲み睡眠薬を飲んで、おれは健康だと思っている。「食前に漢方」「飲む前に漢方」などの言語道断のコマーシャルになんの違和感ももたなくなってし
まっています。

 食べたくないときに食べても、消化吸収は活発に行われていないのだから、100の栄養も20くらいしか実になりません。残りは大便で出てしまえば害は少ないが、それが元で肥満になり、成人病になる人だっています。病気ばかりではありません。余った80のエネルギーのために言い過ぎをして敵を増やしたり、猛スピードでぶっ飛ばして警察の世話になったり、日常生活のやりすぎを始終している人も多いはずです。

 眠くもないのに布団の中で必死に眠る努力をするのは、そのこと自体が体に無理強いをしていることに気がつかなければなりません。眠れない感じは翌日の夜を恐怖に変え、朝から夜のことばかり考えるようになります。背中は丸まり、呼吸は浅くなり、自分だけが不幸を背負って生きていると思いこんでも不思議はありません。

 私たちは一度、規則正しい生活というものが、どういうことかを考え直してみる必要があるのではないでしょうか。一日に三度食事をするのも、8時間寝ることも大事です。しかし、それは時間に対して規則正しいだけで、自分の体の状態に対して規則正しいわけではありません。お腹が減ったときに食べる、眠くなったときに寝る。自分の体の要求に従った生活をしていけば、自分にとっての規則正しい生活ができるのです。一日三食とか、一日8時間とかは、体の要求に従った結果として出てきたもので、それを目標にすることはないと思います。

 自分自身をもっと信頼してもよいのではないか。人間はもっと強いはずです。病気になればそれを治そうとする働きが出てくるし、苦しければそれから逃れる方法を体は知っています。他のものに治してもらうのは、人間と人間に飼われている動物だけです。野生の動物は誰にも頼らないで生きています。そういう本能を呼び起こすことは不可能なことでしょうか。
 彼らは規則正しい生活をしているのです。


 私が発行しているミニコミ誌「時節風」の第6号(平成4年発行)に掲載した文章です。今読んでみると、結構つっぱった文章ですねぇ。でもこの考えは今も全く変わっていません。科学的にはいい加減な言い回しもありますが、言いたいことは伝わると思います。

 今だったらこんな文章はかけないでしょうね。

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